レトロモダンなタイプライター「Hemingwrite」は、英語で文章を書くことに特化したツール。昔ながらのルックスを持つキーボードを装備しつつ、「クラウドへの文書の自動保存」「e-インクを使用したディスプレイ」などの最新機能を利用者に提供する。


ノート PC や iPad でレポートなどを書く人は多い。だが、これらはマルチパーパスデバイスであり、書くことに特化されてはいない。例えば、ノート PC 上でレポートを書く場合、デバイスに電源を入れて OS が起動するのを待ち、その後ワープロソフトなどを起動しなければならない。書く場所を移動する場合には、文書をバックアップし、AC ケーブルなど必要なアクセサリと一緒にノート PC を持ち運ぶ必要がある。


「Hemingwrite」は、こういった“ちょっとした面倒くささ”を解消してくれるデバイス。文書作成に特化したデバイスなので、ノート PC よりも起動時間は短く、ワープロソフトなどを起動する必要はない。デバイスを手にとったら、すぐに書き始めることができる。


文書保存の心配もいらない。利用者が書きこんだ文書は、クラウドにリアルタイムに保存される。書き終わったところでスイッチを切り、そのまま持ち運ぶことが可能だ。移動先でスイッチを入れれば、すぐに続きを書き始められる。



ディスプレイには、Kindle Paperwhite のような e-インクが採用された。これによりバッテリーの持続時間はノート PC よりもはるかに長い4週間を実現したという。e-インクはまた、屋外などの眩しいところでの視認性向上にも貢献。ビーチで使用した場合、ノート PC よりも画面がずっと見やすいそうだ。


「Hemingwrite」では、同時に3つの文書を取り扱い可能。3つの文書は、デバイス左のレバーで切り替えできる。


Wi-Fi の管理では右のレバーを使用。レバーで選択できるオプションには「ON」「OFF」「NEW」があり、「ON」を選択するとリアルタイムバックアップが自動的に機能する。「OFF」を選択すればバッテリーを節約可能。この場合、文書はローカルメモリに保存され、次に「ON」にしたときに自動同期される。カフェなどで利用する場合には「NEW」を選択。その場所で利用可能なネットワークがスキャンされ、画面に表示される。


文書のバックアプリには、専用の「Postbox」サーバーを使用。「Postbox」は、Dropbox、Evernote、Google Docs などと同期が可能だ。


「Hemingwrite」を開発する Hemingwrite は12月10日、市販化に向けて kickstarter での出資者募集を開始した。399ドル出資すると入手できる。kickstarter キャンペーン終了後の市販価格は499ドルになる予定。出荷開始は2015年の9月で、日本への配送にも対応する。