「FLEX」は、折り畳むとスーツケースに入れられる電動アシスト自転車。カナダのRevelo Electricが開発した。

折り畳むとスーツケースに入れられる電動アシスト自転車「FLEX」
折り畳むとスーツケースに入れられる電動アシスト自転車「FLEX」

「FLEX」の特徴は、ペダルを前輪に取り付け、直接漕ぐ方式を採用した点にある。チェーンなどの機械部品点数を減らして構造をシンプルにできるため、小型軽量化が可能になった。


特徴は前輪にペダルが取り付けられている点  小型軽量化を実現した
特徴は前輪にペダルが取り付けられている点
小型軽量化を実現した

とはいえ前輪にペダルを取り付けると、「走りだしが重い」などの問題が発生する。前輪に変速機を組み込めば解決するが、そうするのであればチェーンを取り付けて後輪駆動にした方が良いだろう。

この問題を解決してくれたのが電動アシスト技術だった。「FLEX」では、モーターのパワーでサイクリストをアシスト。スムーズな走りだしを実現した。まさに、電動アシスト技術の発達によって実現した一台だ。

電動アシストシステムによるスムーズな漕ぎだしを実現
電動アシストシステムによるスムーズな漕ぎだしを実現

前輪駆動にしたことで、折り畳み時のサイズを大幅に小型化。通常の状態では116x100x38センチのところ、折り畳んだ状態では80x60x30センチにまで小型化した。FLEXのキャッチコピーにある通り、大き目のスーツケースに入るサイズだ。実際には、スーツケースに入れることはほとんどないとは思うが、これだけ小さければ、部屋の中やオフィスのデスクの側に置いておくときに便利だ。

折り畳んだ状態のサイズは80x60x30センチ
折り畳んだ状態のサイズは80x60x30センチ

部屋の中や
部屋の中や

オフィスのデスク脇に置いておける
オフィスのデスク脇に置いておける

クルマのトランクへの収納も簡単に
クルマのトランクへの収納も簡単に

ハンドルには「デュアルモードハンドルバー(Dual-Mode Handlebar:DMH)」技術を搭載。これによりハンドルは90度回転可能となった。これは収納の際だけでなく、折り畳んだ状態のFLEXを転がして移動する際にも便利だ。

「デュアルモードハンドルバー」技術により
「デュアルモードハンドルバー」技術により

折り畳んだ状態のFLEXを転がすのが簡単に
折り畳んだ状態のFLEXを転がすのが簡単に

バッテリーは後ろの荷台部分に設置。1回の充電で30キロの移動が可能だ。充電に必要な時間は3~5時間となっている。

開発元のカナダRevelo Electricは現在、「FLEX」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者を募集している。記事執筆時点では1,298カナダドル(約12万円)の出資で「FLEX」のマットブラックまたはグロスホワイト版を入手できる。グリーンまたはレッド版は50カナダドルの追加が必要。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は2,600カナダドル(約24万円)前後になる予定だ。出荷は2016年の4月を予定。日本への配送の可否については、問い合わせて欲しいそうだ。

グリーンまたはレッド版は50カナダドルの追加が必要
グリーンまたはレッド版は50カナダドルの追加が必要

なお「FLEX」は、日本では原付自転車扱いとなる。公道を走行するには灯火器などを取り付けてナンバーを取得しなければならない。ナンバーを取り付けると折り畳んでもスーツケースに収納するのは困難なサイズになってしまうのは残念だ。その他、ヘルメットの装着や自賠責保険への加入などが義務付けられる点に留意されたい。