緊張して口の中がぱさぱさになったり、レモンを思い浮かべると潤ったり…自分ではなかなかコントロールしづらい“だ液”。近年はストレスや不規則な生活、飲酒・喫煙などが原因でだ液の分泌量が減る「ドライマウス」の人が急増しているといいます。

だ液には、酸性化した口腔内を中性に戻したり、歯から溶け出したミネラル成分を再び結晶化して歯の表面を修復したりする作用(再石灰化)があり、分泌量が減るとむし歯リスクが高まってしまうそう。そんなだ液の機能を歯磨きでサポートする新商品「クリンプロ 歯みがきペースト」が、スリーエム ジャパンから発売されました。


だ液の働きに着目した歯みがきペースト
だ液の働きに着目した歯みがきペースト

この商品の特徴は、歯の修復効果を促進するフッ素に加え、だ液に含まれるミネラル成分(リン酸・カルシウム)が配合されている点。従来の技術では両者の共存は難しく、多くの歯みがき粉にはフッ素だけが使われていましたが、今回独自技術により同時配合に成功したそう。

フッ素とミネラル成分「TCP(リン酸およびカルシウム)」を配合
フッ素とミネラル成分「TCP(リン酸およびカルシウム)」を配合

筆者も早速使用していますが、さすがに再石灰化の状況までは分からないものの、歯のくすみが取れてくるという嬉しい変化も見られました。なおこちらは同社初の“予防歯科用製品”として販売される歯科医院専売品。ドラッグストアなどでは購入できないのでご注意ください(取扱い医院は3Mの「Tooth!Navi」サイト参照のこと)。

もちろん、むし歯予防のためには日々のだ液量を減らさないことも大事。口腔内には耳下腺、舌下腺、顎下腺と3か所のだ液腺があり、起床時や食事前などにここをマッサージするのも効果があるそうです。

気づいた時にマッサージを(出典:「Tooth!Navi」)
気づいた時にマッサージを(出典:「Tooth!Navi」)

 
◆おまけ:身近なところで活躍するフッ素

ちなみにこれらの情報は、同商品の発売に合わせ開催された「ざ・3Mセミナー」で教えていただいたもの。この日は“フッ素”をテーマにした内容で、オーラルケア以外にも、実は色々な場所で役立っていることを知りました。

例えば、この時期大活躍のはっ水・防汚スプレー。3Mのロングセラー商品「スコッチガード」は、同社で初めてヒットしたフッ素化学製品なのだとか。

持ってるけど知らなかった!
持ってるけど知らなかった!

 
ワインもはじくコーティング力
ワインもはじくコーティング力

また直接生活で目にする機会は少ないですが、優れた電気絶縁性を持つ「3M フロリナートフッ素系不活性液体」という液体は、新幹線やスーパーコンピューターの冷却のほか、対象物を変質させない特性を利用して古文書の保存にも活用されているそうですよ。

水の中でもタブレットが動いてる!?(非防水だそうです)
水の中でもタブレットが動いてる!?(非防水だそうです)

 
ティッシュをこの液体に浸しても
ティッシュをこの液体に浸しても

 
乾くと元通り!
乾くと元通り!

3Mというと「ポスト・イット」をはじめ文具やスポンジのイメージが強かったのですが、生活のあらゆる場所でお世話になっているんだなと改めて実感。今回の歯科分野への参入で、更なる商品拡充に期待が高まります。

定期的に歯科医院にも通うにゃん!  (3Mのデンタルアイドル「ニャブラシーズ」)
定期的に歯科医院にも通うにゃん!
(3Mのデンタルアイドル「ニャブラシーズ」)